雲立涌くもたてわく 格式ある有職文様で、天皇をはじめ高位者が用いた。平安時代では摂政せっしょうや関白かんぱく位の五十歳以上の人が袍ほうに用いた。立涌は陽性の大気が立ち上ぼる様子で、それが形になったのが雲である。近衛このえ家では中納言で雲立涌を用い、関白で大雲立涌を用いるとする。近世では、一条家も雲立涌文様を用いた。