日本服飾史日本服飾史

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黄櫨染こうろぜん

黄櫨染1枚目

天皇が大儀の際に着たほうの服色。平安前期に纏められた『延喜式』によると、黄櫨染は蘇芳すほうはぜ、または紫根しこんで染めるとあって濃い黄褐色かっしょくの色彩である。夏の土用どように南中する太陽の燃え盛る色彩だといわれ、古代中国の五行思想の中軸をなす色彩でもある。隋朝で登用された制度だが、平安前期の『西宮記』に我が国ですでに用いられていたのが記される。天皇以外は禁色きんじきであった。