日本服飾史日本服飾史

  1. HOME
  2. 衣裳一覧
  3. 鎌倉時代
  4. 小袖、裳袴をつけた女

小袖、裳袴もばかまをつけた女

A woman in everyday wear; kosode and mobakama (wrapping skirt).

栄花物語、太皇太后宮田植御覧の条に「若うきたなげなき女ども五、六十人ばかりにというものいと白く着せて」とあり、四天王寺の扇面古写経にも見える。また満佐須計装束抄にも「ひすまし」という便器を扱う女がをつけるという事が記されている。元来は低い身分の人達の用いるものであったが、鎌倉時代になると小袖下着から間着表着として用い出されるにつれてこのというものも上級の女房達に用い出された。
一般の用になるにしたがい、色ものも文様のあるものも使われた。これは襠のない、いわゆる行燈あんどうと呼ばれるような姿で、短いともとも解されるのでこの名がある。腰(紐)はと同じように右脇で長く結び垂れる、法然上人絵伝第三十四巻の室泊の遊女をのせる舟人の姿にもこの小袖が見られる。
ここでは黄地、薄紅の文様の絹の小袖に綾地立涌紅据濃の姿とした。

イラストによる解説

イラスト1
  1. げ髪
  2. 小袖
  3. 上差袋うわざしふくろ
  4. もばかま
  5. 緒太おぶと