十六菊御紋章付額縁

十六菊の御紋章が付された額縁が二面一組で納められていることから天皇皇后の写真である御真影を納める額縁であると思われます。

明治時代から教育現場に下賜されるようになった御真影は天皇と同一視され最大の敬意をもって取り扱われることになり、教育勅語の謄本と共に奉安(ほうあん)殿(でん)や奉安室に厳重に管理されました。

御真影の額縁に御紋章を付けることは正式に許可はされませんでしたが不問に付すことになっています。昭和四年三重県知事から、内務省より奉安殿に御紋章を付ける場合は学校長より直接申し出があった場合に限り許可される旨の通達が出ているが、「御真影ヲ奉納セラル額縁」に対しても同様であるかとの問い合わせが内務省警保局にありました。その回答には「尚御真影ヲ奉納セル額縁ニ菊御紋章附著ノ儀ハ何レノ場合ニ於テモ取締上不問ニ附シ置カレ可然」とあります。

ちなみに大正時代に茨城県より奉安殿や奉安室前に掲げる幔幕(まんまく)にも御紋章を付けても良いかとの同局へ照会がありましたが、同局より「幔幕ノ如キ転用ノ容易ナルモノニ迄菊御紋章描出ヲ認ムルノ趣旨ニ無之候」と回答があり、転用の利くものには不許可となりました。