幸菱さいわいびし 大と小、また陰と日向で表した唐花菱文様を巧みに配列した華やかな文様。一群に纏めた唐花菱の、その先と先の間が離れているので先間菱(さきあいびし)、またその間隙に小菱を埋めて先合菱さきあいびし、それが見事に満開の様子で幸菱と呼んだ。さらに先間菱を音読して千剣菱せんけんびしなどと称する諸説がある。衵あこめや単ひとえ、五衣いつつぎぬなどの綾織物の地文様に広く用いられた。