濃こき・薄うすき 紫色は高貴な色とされ、それゆえに諸色の代表として扱われて「濃き」や「薄き」とのみ称して紫色を表した。古代の五行思想では全ての色彩を含んだ重要な黒色を代行するのが紫色であり、北の中心に座して天空の回転軸である北極星の色彩だとされた。天皇が政務をとる紫宸殿ししんでんもそうした意味をもつ。濃きは黒みがかるほどに濃く、薄きは明るいの意の鮮やかな紫色を表す。