汗衫かざみを着けた公家童女晴れ姿 123 汗衫かざみは本来汗のつく内衣(肌着)であって、単のものであったろう。やがて下級者の表衣となり、更に長大化して公家の童女の正装に用いられた。従って本来の汗衫と、公家童女の汗衫とは、形状も自から異るが、単のものであることに変りはない。 公家童女の正装は円領あげくび、衽つき、闕腋、身二巾、袖二巾で身丈は後身曲尺1丈5尺、前身曲尺1丈2尺の長さである。円領の汗衫を垂領たれくびに着け、汗衫の下は衵あこめ、五つ衣、打衣、単、白の表袴を、濃きの長い張袴の上にかさねている。 満佐須計装束抄まさすけしょうぞくしょうの寸法によった。 目次 イラストによる解説その他の平安時代の衣裳 イラストによる解説 下げ髪さげがみ 物忌ものいみ 汗衫かざみ 衵あこめ(表着うわぎとして着る) 打衣うちぎぬ 衣きぬ(袿うちき・五つ衣いつつぎぬ) 単ひとえ 表袴うえのはかま 濃き袴こきはかま 衵扇あこめおうぎ 汗衫かざみの当帯あておび(宛帯)