殿上人てんじょうびと冬の衣冠いかん Courtier in regular court dress, ikan: hō (outer robe) and sashinuki (trousers). 12 衣冠とは束帯に対する略儀の公家の服装で、石帯は用いない。 束帯が昼装束ひのしょうぞくと呼ばれたのに対し、宿とのい装束といわれた。しかし、当初は宿装束として出来たがやがて平常の参内等にも着用されるようになった。衣冠というのは、衣と冠とを似って官職を表現するので、この名が起こったものと思われる。衣冠には文武官の別がない。 公家には基本として三位以上の公卿と四、五位の殿上人にわかれる。ここでは殿上人の五位の冬姿として緋袍に紫無紋の指貫をはく、帖紙を懐中にし、手に檜扇、襪しとうずは、はかない(40歳以上で特に許された時は襪をはく)。 目次 イラストによる解説その他の平安時代の衣裳 イラストによる解説 冠かんむり 巾子こじ 笄こうがい 額ひたい 纓えい 袍ほう 指貫さしぬき(奴袴ぬばかま) 単ひとえ 帖紙たとう 檜扇ひおうぎ