文官朝服 Civilian attendant in formal court dress. 12 平安朝初期の風俗は不分明の所が多かったが、はじめて考証を試みた。道明寺天満宮所蔵の伝、菅原道真公遺品の革帯や牙笏げしゃく等を考究すると、10世紀前半迄はほぼ奈良時代同様と思考される。ここには右大臣菅原道真公を想定し袍は縫腋、衣服令による二位の浅紫が濃くなり、襴は入襴にゅうらん、下襲は裾をひかず単の文様は繁菱、表袴うえのはかまの形状は正倉院に残る形式とした。冠も笄はなく、笏は象牙製、革帯は真鍮地、鍍銀有紋紫水晶を象嵌した銙がつけられている。これは道明寺所蔵の国宝を復原したものである。飾剣かざたちを條帯(平緒ひらお)にて佩び、烏皮履をはく。 目次 イラストによる解説その他の平安時代の衣裳 イラストによる解説 皀羅くりのうすはたの頭巾ときん(漆紗しっしゃの冠かん) 皀羅の頭巾の燕尾えんび 衣きぬ(朝服ちょうふく)(縫腋袍ほうえきのほう) 平緒ひらお 平緒の垂たれ 大刀 衣(朝服)(縫腋袍)の襴らん 袴はかま(表袴うえのはかま) 大口袴おおくちばかま 笏しゃく 烏皮履くろかわのくつ 銀装しろがねつくりの腰帯