公卿くぎょう夏の冠直衣かんむりのうし Courtier in formal costume (kanmuri nōshi) for summer. 12 勅許によって常着である直衣を許された。これを雑袍聴許ざつぽうちょうきょという。 衣冠と形態が同じであるが、当色とうじきではなく冬は白地有紋、夏は若年は二藍(紅と藍を経緯に織る)、壮年以降は縹はなだ色、下には衵あこめを出衣いだしぎぬとし、単をうちに、指貫さしぬき(奴袴ぬばかま)をはく。指貫の色目、文様は年齢、身分、家格によって異なるが、ここでは40代、50代の意味で縹色、顕紋紗三重襷文の袍とし、指貫は浅黄あさぎ緯白ぬきじろ藤の丸紋になっている。通常は烏帽子であるが、威儀を正す時には冠をつける。これを冠直衣という。冬は檜扇、夏は蝙蝠かわほりという紙の扇を持ち、懐中には帖紙を入れる。 目次 イラストによる解説その他の平安時代の衣裳 イラストによる解説 冠かんむり 単ひとえ 衵あこめ 袍ほう(うえのきぬ)(縫腋袍ほうえきのほう) 袍の欄らん 袍の欄の蟻先ありさき 衵が出衣いだしぎぬになっている 指貫さしぬき奴袴ぬばかま 袍の格袋かくぶくろ(はこえ) 帖紙たとう 蝙蝠かわほり(扇おうぎ)