明治の登極令第十五条に
即位ノ礼及大嘗祭訖リタルトキハ大饗ヲ賜フ
と規定されている。
大饗という語は古くは東宮、大臣などの宴会に用い、朝廷の御饗宴は節会と称されていたが、明治の新儀によってこの語が用いられるようになり、大饗には第一日の儀と第二日の儀と夜宴の儀がある。
これは夜宴に行われる舞楽で、萬歳楽と太平楽の二曲を舞う。
萬歳楽は天下治まり鳳凰が舞うというめでたい楽。左舞、舞人四人から六人の連舞で、襲装束(常装束、平舞装束ともいう)の代表的な曲目である。鳥甲をかぶり、赤地闕腋袍を片肩袒とし、下には半臂、忘緒、下襲、表袴(これは丈長く、裾を紐で括る)、革帯、掛、襪、糸鞋をつける。
平安時代そのままとも思われる姿が、今日も尚うけつがれている。
舞楽・萬歳楽
Bugaku court dance costume for “Manzairaku.”