附つけものをつけた水干を着ている放免ほうべん Hōben (policeman) in suikan uniform. 12 水干とは水で洗って乾かしたという意味で、はじめは一般の庶民の着用するものであったが、やがて下級の官人や武士も用い、鎌倉時代以降には狩衣と等しく武家の礼装となった。形は狩衣と似て盤領あげくび、頸かみの蜻蛉頭と受緒に代えて紐がつけられている。着装の際は袴の中へ着籠きこめる。平安末期は派手好みの流行となり、「附つけもの」と呼ばれる異様な飾りものを衣服につけることが行われた。これは平安末期「放免ほうべん」と呼ばれた警察の下級刑事ともいえるものの姿で、放免は軽犯罪を犯した不良分子を、逆に市中取り締まり等にあてたといわれる。 目次 イラストによる解説その他の平安時代の衣裳 イラストによる解説 平礼烏帽子へいらいえぼし 水干すいかん 水干の頸くびかみの緒お 水干の菊綴きくとじ 附つけもの 水干の袖括そでぐくりの緒お 括袴くぐりはかま 脛巾いちびはばき 乱緒みだれお