御祭服は天皇の召される御神事用の御服中、最も清浄且神聖な御服装で、純白生織りのままの絹地で製作される。
これは御一代一度の大嘗祭の場合、悠紀、主基両殿の儀および年中恒例の祭祀中にて最も重い儀式である新嘗祭の時のみ用いられる。
御冠は幘の御冠で、白平絹にて、巾子に纓を結びつけている。また御袍は御斎衣といわれ、普通の仕立てと異なり雨覆という裂が襴の上にあり、襴は入襴になっていて「ありさき」はない。これは法衣の素絹によく似た形式のもので、その差は円領と垂領のちがいがあるだけである。
この形式は即ち、平安初期の袍の形式を多分に残しているものとされ、この御斎衣が淳和天皇の践祚の御時(823)より始まるといわれていることに依っても証される。
現在の宮中における御祭服の概要は、平安朝そのままに近いものと思われる。
御祭服
Emperor’s robe for Shinto ceremony, on-saifuku.