小直衣は狩衣直衣ともいい、直衣と狩衣が折衷された形で、身は狩衣と同じく1巾、袖も狩衣と同じく袖露があって、裾には直衣の如く襴がつく。これは室町時代以後に直衣の略装として用いられ、烏帽子も室町時代の特色の通り塗り固めた箱型となり、表面に凹凸のさび・眉・雛頭ができた。懸[掛]緒の紫紐は特に許されたる人の料。
袴は指貫[奴袴]緯白の八藤紋で、通常40才以上は薄縹色で年齢とともに薄くなり、70才以上宿老となれば白となる。
老齢の時には烏帽子の懸緒を前の部分だけでなく十字にして後で廻らした翁掛にされることもある。