これは天皇の即位式の時に用いられたもので、即位礼当日、賢所大前の儀に際し、南門には大礼使高等官が左右3人ずつ御門守衛の意味で出仕するが、その服装は武官の服制によったもので、巻纓、緌の冠に縹色の闕腋袍、表袴、赤の脛巾、足に糸鞋、袍の上に錦の裲襠をあて、帯剣、平胡籙に箭を挿して負い、弓を手にして立つ。
裲襠は袖はなく、長さが腰までの貫頭衣で、裲襠の上に錦で作った摂腰という帯をする。
明治の官制では高等官は奏任以上で、奏任官は緋袍であるが、衛門の本位に当たる時は、旧儀の通り六、七位相当の緑(縹)袍とされている。
図は大正の記録による。