日本服飾史日本服飾史

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褊(偏)衫へんざん裙、如法衣にょほうえ姿の僧

Buddhist monk in regular vestment, nyoho-e robe.

  • 褊(偏)衫裙、如法衣姿の僧1枚目
  • 褊(偏)衫裙、如法衣姿の僧2枚目

インドで成立した袈裟に、さらにその下につける法衣として中国において形成された褊衫へんざん(偏衫)がある。これは左肩を覆う僧支(掩腋衣)に右肩に覆肩衣が合一して、や袖がつけられたものといわれている。日本では、仏教伝来当初より用いられたようだが、色は壊色えじき、背は下で割れ左前に着ける。これはその成立当時の原形を留めていて、現在に残る日本の服装として左衽のものはこれだけである。

下半身には同色のくんをつけるのが通常で、袈裟けさは同じく壊色えじき(ここでは木蘭色)の如法衣にょほうえ、これは中国伝来後吊り紐が附加されているが、この服装がインド古制に近いものと考えられていた。「律」及びこれを含む宗派に用いられ、現在もほぼ同様の形状がうけつがれている。

イラストによる解説

イラスト1
  1. 褊衫へんざん(偏衫)
  2. 如法衣にょほうえ
  3. 数珠じゅず
  4. くんくんず