日本服飾史日本服飾史

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裹頭かとうをつけた僧兵そうへい

Buddhist monk-soldier with katō hood.

仏教の国教化、貴族化とともに寺院の勢力は増し、寺院自身武装した僧団をもつようになった。これ等は、山法師(比叡山延暦寺)、奈良法師(南都興福寺等)と呼ばれる僧兵のことで、後白河法皇ですら意のままにならぬのは、双六の賽と、鴨川の水と、山法師であるとまでいわれた。これは僧兵の姿で、白の五條袈裟を以って頭をつつんだ。裹頭という。法衣は墨のもつけ石帯(公家でいう当帯)で結び、白の括袴に白の脛巾はばき付の下には下腹巻という胴丸の鎧を着けている。足には足駄をはき、腰には革包の太刀、薙刀なぎなたを持っている。
この裳付衣を宗団により墨の半素絹、また単に墨の素絹ともいい、また空衣うつほうつほ)もこの形式に似ている。また南都では、僧兵は僧綱襟のついた重衣じゅうえかさね)と呼ばれる墨染麻の裳付衣に、白麻の下襲をつけたものを着用している。

イラストによる解説

イラスト1
  1. 裏頭か(くわ)とう袈裟けさ
    1. 袈裟威儀いぎ
    2. 袈裟小威儀こいぎ
  2. 裳付衣もつけころも半素絹はんそけん][全体]
  3. 裳付衣らん
  4. 石帯せきたい[当帯(あておび)]
  5. 下腹巻したはらまき
  6. 括袴くくりはかま
  7. 脛巾はばき
  8. 足駄あしだ[覆]
  9. 革包かわづつみの太刀
  10. 太刀の
  11. 薙刀なぎなた
  12. 裳付衣雨覆あまおおい