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能楽・羽衣のシテ(天人)

Costume for the main role, Tennin (celestial being) of the Nō play “Hagoromo.”

  • 能楽・羽衣のシテ(天人)1枚目
  • 能楽・羽衣のシテ(天人)2枚目

「能」は平安時代の延年、曲舞、猿楽、田楽を基盤として室町時代初期に成立したもので、観阿弥、世阿弥父子によって大成し、足利義満によって愛好、保護された。其の後、秀吉、家康とこれを保護し、江戸幕府の式楽と定められ、今日も多くの人々によって護りつづけられている。
これはその曲目の一つである羽衣の舞姿で、世界の各地にある白鳥処女説話と同系といえるが、世阿弥の作ともいわれている。
シテ(主役)の天人は小面こおもて等をつけ、長鬘、胴箔紅入鬘帯かつらおびをしめ天冠を戴く。着附は箔の小袖、紅入縫箔の小袖を腰巻にし、腰帯をつけ、羽衣になぞらえた文様の長絹をうちかけ、鬘扇(中啓)を手にしている。

イラストによる解説

イラスト1
  1. 天冠てんかん
  2. 鬘帯かつらおび
  3. おもて
  4. 天冠の紐ひも
  5. 長絹ちょうけん
  6. 長絹の胸紐むなひも
  7. 長絹小露こつゆ
  8. 長絹袖露そでつゆ
  9. 腰巻こしまき打掛の上半身を脱いで腰にまとった状態]
  10. 着附きつけ
  11. 鬘扇かつらおうぎ中啓