色彩と文様
代表的な重色目
公家たちは季節季節で色彩を暮らしの中で楽しみました。
「かさねいろめ」と呼ばれる色彩コーディネートには3種類あります。
- 重色目
表の色と裏の色の組み合わせ。当時の絹は薄かったので裏地が透けたため複雑な色彩となりました。 - 襲色目
いわゆる十二単のような重ね着で、重なる色彩のグラデーションを楽しむものです。 - 織りによるかさね色目
反物を織る段階で縦糸と横糸の色を変え、玉虫色の色彩を楽しみました。
(有職故実研究家 八條忠基さん Facebook投稿より)
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女郎花秋
7月23日は「女房が女郎花色の装束を着た日」でございます。 『装束集成』(江戸中期) 天治元(1124)年七月廿三日、若...
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楝夏
「楝(おうち)」満開の時期。 「楝」は漢字を見たこともなければ、「おうち」なんていう単語も聞いたことがない、という...
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檜皮四季通用
ヒノキの樹皮、「檜皮(ひわだ)」です。 京都御所の殿舎の屋根は、この「檜皮」を何層にも厚く葺き重ねた「檜皮葺き(ひわ...
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櫨紅葉秋
東京ではカエデの紅葉(こうよう)は、見事に真っ赤になることが少ないのですが、そんな東京でも、例外なく綺麗に紅葉するの...
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紅紅葉秋
12月に入りましたが東京は暖かく、紅葉もいよいよ真っ赤でございます。 『満佐須計装束抄』(源雅亮・平安末期) 紅葉...
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蓬夏
色鉛筆「日本の伝統色」シリーズもそうであるように、私は日本の伝統文化を表現するキーワードは、3つあると私は考えています...
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薄①秋
オニユリの写真についてのコメントで、「重ね色目の『百合重ね』がヤマユリの白のイメージと違う」というお話しがございまし...
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黒木賊四季通用
敬老の日。 秋の連休を増やすための方策で、9月第三月曜日となりましたが、以前は9月15日でした。しかしこの日付は実に根拠...
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かえで紅葉秋
東京でも、日当たりの良い木々は美しく紅葉しております。紅葉は、光合成で生じた糖分が発色するのですから、日当たりの良い...
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つつじ春
ツツジが満開です。 ツツジは、日本ではヤマツツジ(山躑躅、学名:Rhododendron kaempferi)などが自生し、さらに古くから...
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もぢり紅葉秋
先日、深大寺で紅葉狩り。 青から黄、そして深紅へのグラデーションが何とも素敵でした。特にお日様を向こうに透かして見え...
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初紅葉秋
カエデなどの紅葉(こうよう)は、急に寒くなると色づきが良くなるそうです。だらだら寒くなると、枯れた色になってしまうの...
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卯の花夏
東京は夏日です。 教育唱歌『夏は来ぬ』(佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲)に 「卯の花の匂う垣根に、時鳥早も来鳴きて」 ...
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山吹①春
山吹は平安人に好まれ、重ね色目が何種類もありますし、文献上にも様々に登場。その華やかな色彩が愛され、男女ともに盛んに...
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山吹②春
山吹ばなしの続き。 平安時代、山吹色はゴージャスな装束の中に登場しています。 『とはずがたり』(後深草院二条・鎌...
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桔梗夏
『万葉集』で「朝皃之花」(朝顔の花)とされている花は、キキョウだとする説が一般的です。 現在でいうところのアサガオ...
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梅春
梅は初春の色でもあり、実に多様な種類の重ね色目のコーディネートがあります。色の華やかさから紅梅モチーフのものが多いの...
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移菊秋
10月18日は「残菊の宴」が催された日、です。 『古今著聞集』 天暦七(953)年十月十八日、殿上の侍臣左右をわかちて、...
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花橘夏
花橘の「花も実もある」写真です。 白い花と黄金色の果実がそのまま残っておりますね。 『源氏物語』(若菜下) 五月...
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莟紅梅春
立春も過ぎると、梅が咲き始めます。紅梅白梅とありますが、まず紅梅から花開くようです。 そこで今回ご紹介する重ね色目は...
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菖蒲夏
菖蒲重は5月に用いました。 この色彩は葉と花の色と思われがちですが、実は葉と根元の茎の色の組み合わせです。平安時代「菖...
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菫春
路傍のコンクリートの割れ目に生えるスミレ。「ど根性」よろしく美しい花を見せてくれています。 スミレは日本には昔から存在...
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落栗色秋
栗の実の落ちる頃。 周辺に落ちている栗の実も、先客?にとられております。唯一、残っているのを発見いたしました。 ...
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薄②秋
「ススキって花なの?」と思われるでしょう。そして「ススキって地味ぃ~」と見られがちですが、 『満佐須計装束抄』(...
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藤春
女房装束「五衣長袴唐衣裳(いつつぎぬながはかまからぎぬも)」のことを、一般的に「十二単(じゅうにひとえ)」と呼びます...
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蝉の羽夏
八月上旬、最高に暑い季節。ここを先途と蝉が鳴き騒いでおります。蝉の声は日本人にとってはありふれた夏の風物詩ですが、イ...
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